石垣市民ラボ 市民放射能測定室

測定結果の見方

石垣市民ラボでは、LB2045ガンマ線スペクトロメーターによる食品・飲料などを測定し、依頼された方に測定結果として、LB2045用の解析ソフトウェアJ-Gammaの出力をお送りしています。J-Gammaは、LB2045の国内販売元であるベルトールドジャパン社が開発したものです。この測定結果の見方を簡単に説明します。

 

▼測定結果 サンプル(クリックで拡大)

測定結果 サンプル

※ 説明は、J-Gammaのバージョン5.2の出力に関するものです。

 

① 核種名

測定対象としている放射性物質を示しています。
I131はヨウ素131(半減期約8日)
Cs134はセシウム134(半減期約2年)
Cs137は、セシウム137(半減期約30年)
K40は、食品に多く含まれている天然放射性物質カリウム40(半減期約12億5千万年)のことです。

 

② 測定値±誤差(Bq)

「測定値±誤差」(Bq)の数値は、試料に含まれる各放射性物質の測定値とその誤差をベクレル)単位で表したものです。
「N.D.」と書いてある場合は、「不検出」(not detected)を意味します。

 

③ 測定値±誤差(Bq/Kg)

「測定値±誤差」(Bq/Kg)は、「放射能の濃度」として表したもの「1キログラムあたりベクレル数」単位に換算したものです。±(プラスマイナス)という符号は、実際の値が(測定値-誤差)と(測定値+誤差)の間にある可能性が高いことを意味しています。
 

④ 検出限界

「検出限界」(Bq/Kg)は、「これより小さい『測定値』が解析計算上得られたとしても、それは不確実で、検出したとは言えない」という限界を「1キログラムあたりベクレル数」単位で表したものです。

 

⑤ 測定結果(Cs134+Cs137)

表の欄外左下には、セシウム134とセシウム137の測定値の和とその誤差を示しています。この和が100Bq/Kg以上であれば、国が定めた一般食品の基準値(セシウム134と137の合計で100Bq/Kg)を超えている恐れがあります。一方、どちらも不検出である場合には「N.D.」と表示されます。

 

⑥ グラフ

グラフには、細かいぎくしゃくや多少の凹凸を含む曲線が描かれています。これが、実際に測定されたエネルギー毎のガンマ線の計数率を示しています。

上の例では、横軸の目盛が600付近では、曲線の縦軸の値(cps:計数率)が0.005程度ですが、これは、600KeVのエネルギーを持つガンマ線が、200秒間に1個程度検出されたことを示しています。 横軸の目盛が300付近、600から800付近、1500付近は、緑、空、青に色付けされていますが、これらは、ヨウ素131(364KeV)、セシウム(605、796、802KeVのセシウム134と662KeVのセシウム137)、カリウム40(1461KeV)のガンマ線が検出される領域を表しています。

ヨウ素とセシウムの領域は、右下がりのおおむね滑らかな曲線(これがバックグランドを示しています)に乗っており、目立ったピークはありません。これが表中の「不検出」という結果に対応しています。これに対して、天然放射性物質カリウム40の領域には明瞭なピークが見えます。これが表中の70.56±8.45 Bq/Kgという測定結果に対応しています。

 

セシウム検出例についての説明はこちらをご覧ください。
→ 測定結果の見方(第3版 全文) pdf 242kb

 

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